管理人の読書BLOG。乱読傾向過多!!来るもの拒まず手当たり次第。内容責任取れません。
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異邦人/アルベール・カミュ
『今日、ママンが死んだ。もしかすると、昨日かも知れないが、私にはわからない。』
これまで1度も本作を読んだことのない私だが、この冒頭の文章は知っているし、タイトル、著者を知らない人はいないだろう。
照りつける夏の日差しの下、青年ムルソーは殺人を犯してしまう。1年に及ぶ牢獄での生活。ムルソーが母親の死に涙を見せず、葬儀の翌日に映画に行ったり恋人と過ごしたりしたことが裁判で取り上げられ、非人間的で人間の心を守る道徳原理が欠けているとされた彼に下された判決は死刑だった。
私に云わせればムルソーは社会不適合者だ。
自分の言葉や行動が相手や世間にどう思われるか、ムルソーは全く考えない。彼が考えるのは今日と明日のことだけ。彼の中では彼なりの筋が通っているが、世間から見れば彼は異質の存在=異邦人である。
解説にかなりのページ数を取っているのは、このムルソーなる男の解釈が誰しもにとって興味深いものだからだろう。カミュの自序からの引用「お芝居をしないと、彼が暮らす社会では、異邦人として扱われるよりほかはないということである。ムルソーはなぜ演技をしなかったか、それは彼が嘘をつくことを拒否したからだ。」「彼が問題とする真理は、存在することと、感じることとの真理である。」
私はこの『異邦人』に対して好感は全くない。彼は確かに嘘はつかない。頼まれて女を貶める手紙を代筆し、恋人に対して愛していない、だが結婚しても良いと云う。嘘はつかないが、こういう行為や考え方をする事になんの疑問も持たない人間を好きになるものがいるだろうか?
だが、ムルソーに引鉄を引かせる誘引となった灼熱の太陽。そして海。
この鮮烈なイメージはとても心に残るのだった。
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