管理人の読書BLOG。乱読傾向過多!!来るもの拒まず手当たり次第。内容責任取れません。
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ベルカ、吠えないのか?/古川 日出男
『アラビアの夜の種族』の作者と聞いてちょっと引いた。というのも、その作品、読みきったもののラストがあまり良く判らんかったからだ。仮にも賞を取った作品を理解出来ないというのは私の読解力の問題なのだろうが、小難しい作品を書く人、と意識付けられていたのでこの作品も少し恐々としつつ読んだ。

1943年、アリューシャン諸島に置き去りにされた日本の軍用犬4頭から物語は始まる。
犬たちは人間によって、時には自らの意思によって、そして運命の悪戯によってその居所を移しつつ子を為す。そうして連なる犬の系図は、人間達の戦争の歴史にすっぽりと入り、ソビエトでの日本ヤクザの娘の物語へと繋がっていく。

物語の展開は極めてスピーディ。同じ場所から出発した4頭の犬は世界にばらけ、血の伝わる先で交差する。
登場する犬の1頭1頭にドラマがあり、私は犬(に限らぬが)好きなので、そのドラマの一つ一つを楽しめた。人を信頼し、時に反逆もする彼らがまた(こんな言い方が許されるなら)カッコいいのである。始まりが軍用犬である彼らは、軍用犬となったりマフィアの犬になったり、ほぼ全員が戦いの中を生きていく。
そしてソビエトでは、初めて宇宙に行って地球に戻ってこられた犬の英雄"ベルカ"と"ストレルカ"の間に子をもうけ、犬の部隊を作ろうというフルシチョフの命令に従い、1人の男が犬の交配と訓練を行なっていた。そうして犬の物語は1つに繋がり、ヤクザの娘=犬の娘"ストレルカ"と犬達の中から生まれた犬"ベルカ"へと繋がっていくのである。

正直なところ、このへんになると私には読み切れてない部分があって、老人とストレルカと犬達の闘いに何の意味があるのかどうも判らない。ソビエトからロシアへの時代の流れについて行けず、ロシアという名を倒そうとする老人の悪あがきがこの結末なのだろうか。犬を育てろと命じながらもペレストロイカの先に、犬を殺せと一転命じるロシアという国に、残された犬達と共に復讐しようとしているのだろうか。
まあそんなこと抜きにして、結構面白い作品だった。装丁も個性的で良。
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