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ジェノサイド/高野 和明
高野 和明
角川書店(角川グループパブリッシング)
(2011-03-30)

この作品、アメリカから苦情が来ないんだろうか。
あまりに大統領がステレオタイプの悪役すぎる。湾岸戦争あたりの過去を振り返れば判らないでもないけど、少し単純に作りすぎてる気がするし、今のご時世、トモダチ作戦などむしろアメリカの良いところが目につく分、過剰反応に思える。
でも、冷戦時代の謀略ものが型で押したように米ロ関係が軸になっているように、今はこれでOKなのかも??
読んだ感覚はマイクル・クライトン。
薬学を学ぶ日本の青年が急死した父の残した謎に直面する一方、コンゴでは難病の息子の治療費を稼ぐ為に、危険な極秘任務に着こうとする元特殊部隊出身の米国人がいた。本来交わるはずのない両者に接点が生じた時、地球上に起こったとある進化が明らかになる…と云うのが粗筋。
新人類の発現や、彼らと人類の関係性等の予想は面白かった。原人の遺骨に調理の形跡が残っていて人類が原人を食していたと推察される云々のくだりは興味深く、そこから新人類も人類を根絶しようとするのではないかと予想されるあたりは説得力があった。
けれど、これまで(現在も)散々戦争しては人を殺しまくった人間に対する警告がテーマと判っていても、人間の残虐性を一方的に糾弾しているあたりが少々鼻についた。優しい韓国人を日本人が残虐に殺害したとか、作者の意識は狭すぎと思う。戦時中なのだ。それは絶対日本人だけではない。韓国だって北と南に分かれて戦争していたし(今も?)、中国だって何千年に渡って領土が拡大したり縮小したりしているのだから当然国境で幾多の戦いがあったに決まっている。そこには残酷なドラマがたくさんあったことだろうし、過去をどこまで遡っても清廉な国民なんて、きっと世界中の何処にもいない。エンターテインメントとしては、ちょっと自分主張に突っ走りすぎかな。
それと、人間より神に近い存在としている新人類が、神の割にはどうも動物ぽいのが気になる。
映画『スリーピース/種の起源』じゃあるまいし、異母姉弟間で子をなそうとする程、種の拡大にこだわるだろうか。彼らは人間の突然変異のようなものなのだから、人類と能力の違いがあったとしても、その道徳観は人間と同じでないとおかしいと思うのだけれど。
新薬の開発にごく普通の日本の青年が挑むことになったりとか、人道踏みにじりまくっている暴君の大統領とか、ツッコミどころはいろいろで、ネタは良いのにまとまりに欠いてしまっているのが惜しい。面白かったには違いないけど。
★★★☆☆
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