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ヘルたん/愛川 晶
愛川 晶
中央公論新社
(2012-02-24)

図書館に予約を入れていたのをすっかり忘れていたので、届いた時頭をひねった。
中央公論新社からこんな表紙の本が出るなんてビックリ。女顔の主人公とか、憧れの胸の大きい先輩とか、設定はまんまライトノベル。テーマが若者にはウケが悪そうだから一般で出したのかな。
この本の面白いところは、探偵ものでありながら老人介護を扱っているところだ。
しかしこの探偵と老人介護を繋げる為の理由づけ、つまり導入部があまり面白くない。こじつけぽくて違和感があり、途中で読むのをやめようかと思ってしまった。
主人公は中学時代からいじめを受けて挫折した20歳の青年・神原淳。親が借金を抱えて蒸発したので無一文になり、身内のつてを頼って浅草で1人暮らしをしている老齢の元探偵の家の離れに住まわせてもらう(赤の他人なのに無料で!)。
そこに訪問してきたヘルパーが、高校時代の憧れの先輩。彼女と言葉を交わすうちに自分もヘルパーとして働こうと思い立ち、講習・研修の末に働き始める。
事件はこの研修や訪問先で起こるのだが、特異なのは元探偵・成瀬氏がアルツハイマーであること。記憶力が日毎に低下し、懸命にメモ書きを取ることでしのいでいる。ただし成瀬氏はこの事実を隠しており、章の間のモノローグで読者にだけ明かされることになる。
神原淳は成瀬氏に相談してアドバイスをもらい推理を成功させるのだが、成瀬氏の方は記憶が残らないので感謝されても意味が判らないあたりが面白い。
この設定がものすごく上手く生かされていたのが、本作3編のうちの最後の編。
事件と、神原淳の家庭の事情と、そして密かな成瀬氏の行動が合わさって解決に向かう。この流れがとても面白かったので、導入部のご都合ぽい筋書きも許せる気になった。
著者としても、下町・浅草を舞台に現在の介護事情を表わした3章が1番書きたかった部分なのだろうと思う。丁度本日、敬老の日だし、ちょっといろいろ考えてしまった。
1番最後の成瀬氏のモノローグで語られる「生涯にただ一度だけ、解決し得なかった事件」「解決への熱意を捨ててはない」が気になるところ。続編が出る布石か??
★★★☆☆

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