管理人の読書BLOG。乱読傾向過多!!来るもの拒まず手当たり次第。内容責任取れません。
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色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年/村上 春樹

前作の『1Q84』以来、判りやすくなったなあと思った。
読み出したのは『ねじまき鳥クロニクル』からだが、はっきり云って読んでも残るものがなくて、何故人気があるのか判らなかった。なのに人気があるだなんて、自分は読解力が相当劣ってるのかなあと忸怩たるものがあった。
今回の作品は、発売まで内容を完全に伏せていたせいか書評を見る機会がほとんどなく、わずかに見た中では"謎が解明されていない"と書かれていた。
でも私はそれは大したことではないと思う。主人公・多崎つくるが属していた高校時代の5人の輪が壊された本当の理由も、恋人が自分以外に付き合っているらしい男のことも、問題ではない。(そりゃはっきりする方が気持ちいいけど)
"色彩を持たない多崎つくる"とは、高校時代の仲間を始め、知り合う人は名前に色が付いている人が多いのに、つくるだけが色がないと云う意味なのだが、それのみならず、強烈に何かを求める強い意志がないと云う意味もある。それがつくるのコンプレックスめいたものでもあるが、恋人に後押しされて再会した高校時代の仲間から反する評価を聞いて驚かされる。
そもそも村上作品の主人公は大抵、色がないと云うか、あっさりさっぱり清潔無菌なイメージがある。しかしここに至って、"彼女に会いたい"とつくるが強く思う場面で話は終わる。
美しいもの、美しい音楽、美しい本、美しい風景、美しい人、村上作品はとにかく美しいんだけど、だからどうしたって気がして仕方なくなる。それがこの作品で変わりつつある気がする。
★★★★☆

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