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恩田 陸
KADOKAWA/角川書店
(2013-12-25)
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まだ恩田作品はそんなに読んでいないけれど、この本は今まで読んだ本とちょっと雰囲気が違う。登場人物がキャラ立ちしすぎてて、多分10代に読ませるのを狙っている。
古き良き時代の精神を引き継ぐ"ミヤコ"と、消費社会を継続する"帝国主義者"達のエリアが入り乱れる日本、通称・バロックジャパン。主義主張が真っ向から相対する両者の間に、密かに暗躍する"伝道者"なる者達の存在。
ミヤコの創始者"暁の七人"の内の一つ、春日家の若き総帥たる紫風とその従姉妹の萌黄、蘇芳は、日々の生活に時折感じる"伝道者"の気配に不穏なものを感じている。どうやら春日家と敵対する及川家の息子・道博(親がノリで決めた蘇芳の婚約者でもある)や有力者達の一部も繋がっているらしい。
途中までは面白かった。でも用意周到な罠によって帝国主義者エリアに攫われた紫風と萌黄を、蘇芳が補助1名付いただけであっさり救出してしまったのに唖然。そしてその次の章でぱたぱたと話が畳まれていってしまったのに愕然。
もしかしてページが足りなくなってしまったんだろうか…。
紫風・萌黄誘拐に一枚噛んだ道博の存在も途中で消えてしまってるのもちょっぴりがっかり。愛情と計算のどっちが正か判らない蘇芳への態度に、この二人の関係の行く末がものすごく気になってたんだけどなあ。
★★★☆☆