管理人の読書BLOG。乱読傾向過多!!来るもの拒まず手当たり次第。内容責任取れません。
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銀河鉄道の父/門井 慶喜

このトシになってくると、どうしても前にこんな感じのを読んだ、と云うのが増えてくる。

偉人の親兄弟が主人公の本なんて、何冊も読んでいる。

この本はとても面白かった。

宮沢賢治の父親の話、と云ってしまうのはちょっと違う。

明治大正、世間に現代に近い気配が漂い始める頃。

岩手県花巻で、父親が興した質屋を受け継いだ若き当主・宮沢政次郎とその家族の話だ。子供達のうちの1人はのちに本を出し、死後世間に認められた作家・宮沢賢治である。

父とはこういうものだと云う厳格さを保とうとする気持ちと、子供への愛情との板挟みになりながら、甘いと思いつつ子供達に手をかけ、金をかけしてしまう政次郎。自身は質屋に学問は不要と親に反対され、進学を諦めて質屋を継いだものの、息子や娘の進学の希望は、一度は反対しつつも結局叶えてしまうし、書籍や何やら無心されればつい送金してしまう。

ここで描かれる宮沢賢治は、イーハトーヴを舞台にしたのどかな作品を残し、農民の暮らしに寄り添った聖人ではない。父親のすねを齧りまくり、実現出来ない大きな夢(起業)を抱き、追い詰められれば宗教に走る、坊ちゃん育ちの青年だ。

それでも息子が可愛く、出来るだけのことをしてやりたいと願い、実行する。

作品が良いとつい作者を美化してしまうが、妹・トシの死を作品の為に利用したと政次郎が感じる場面が印象的だった。

 

★★★★★

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